ハンドドライヤーのメーカーは、専門業者や総合電機メーカーなどさまざまです。メーカーによって異なる特徴を知っておくことは、製品選びに役立ちます。
本記事では、ハンドドライヤーを扱う7つのメーカーについてまとめました。自社にぴったり合うハンドドライヤーを見つけるためも、ぜひ参考にしてください。
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ハンドドライヤーはメーカーによって機能や価格が異なるため、どれを選べば良いのかわからず悩むかもしれません。
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ハンドドライヤーのメーカー7選
ここで、以下7つのハンドドライヤーのメーカーを紹介します。
No. | メーカー名 | 設立 | 事業内容 |
---|---|---|---|
1 | 株式会社Air Labo | 2014年 | 吸引式ハンドドライヤーの研究開発および製造・販売 |
2 | 三菱電機株式会社 | 1921年 | 重電システム、産業メカトロニクス、家庭電器などの開発・製造・販売 |
3 | パナソニック株式会社 | 1918年 | 家電、空室空調、食品流通、電気設備、デバイスなどの開発・製造・販売 |
4 | TOTO株式会社 | 1917年 | 住宅設備機器などの製造・販売 |
5 | 株式会社LIXIL | 1949年 | 住宅設備機器の製造・販売、建材製品の開発など |
6 | ダイソン株式会社 | 1993年 | 電気機器の製造・販売 |
7 | 東京エレクトロン株式会社 | 1974年 | エアータオル製造・販売 |
では、1つずつ見ていきましょう(以下は、2022年5月現在の情報です)。
メーカー1.株式会社Air Labo
メーカー名 | 株式会社Air Labo(エアラボ) |
特徴 | ・国内唯一の吸引式ハンドドライヤーメーカー ・1997年に、国立感染症研究所のための製品を開発開始 ・20年以上、吸引式ハンドドライヤー専門として研究を重ねている |
代表製品 | CIRCULA(サーキュラ) |
株式会社Air Laboは、吸引式ハンドドライヤーの研究開発を専門としたメーカーです。
同社のはじまりは、前身の株式会社タイズが、公衆の健康を保持・増進する「公衆衛生」を目的に、製品の開発に着手したことです。
1997年には、公衆衛生の専門家が認める「吸引式ハンドドライヤー」が誕生し、第1号機が国立感染症研究所へ納品されています。
「吸引式」とは、ハンドドライヤー本体から、水滴や風が漏れない仕組みのことです。菌やウイルスが設置場所に飛び散らないため、衛生対策を強化できます。
代表製品「CIRCULA(サーキュラ)」の特徴は以下のとおりです。
- 吸引力・静音性の高い、日本製のブラシレスモーターを採用
- ボディの素材は、菌の繁殖を抑制できる抗菌素材
- 本体やフィルターに、銅の抗菌加工を活用
- 空気清浄にも使用される「HEPAフィルター」を搭載
他にも、メンテナンスしやすい一体型ボディを採用するなど、利用者からメンテナンススタッフまでを視野に入れ、衛生対策を強化しています。
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メーカー2.三菱電機株式会社
メーカー名 | 三菱電機株式会社 |
特徴 | ・1921年に三菱造船株式会社の電機製作所を母体に設立 ・重電機器から家電製品まで手がける、総合電機メーカー ・国内外の連結子会社数は200社以上、従業員数は約14万人 |
代表製品 | ハンドドライヤー ジェットタオル |
三菱電機株式会社は、1921年の創立以来「ものづくり」を基盤としてきた企業です。現在は総合電機メーカーとして、重電システムから家庭電器まで、幅広い分野を手がけています。
同社は、ハンドドライヤーのパイオニア的な存在です。1993年には、風速と風量にこだわり速乾性を追求した「ハンドドライヤー ジェットタオル」を製品化しました。
同製品には、下記の特徴があります。
- 両側面から手を入れられる、サイドオープン設計
- 菌の増殖を抑制する抗菌加工ボディ
- 空気清浄技術「ヘルスエアー®機能」搭載の循環ファンを採用
標準タイプからミニタイプやビルトインタイプまで、さまざまなタイプを提供しています。
メーカー3.パナソニック株式会社
メーカー名 | パナソニック株式会社 |
特徴 | ・1918年に「松下電気器具製作所」を創立 ・家電製品から情報通信機器まで扱う総合電気メーカー |
代表製品 | パワードライ |
1918年に「松下電気器具製作所」としてスタートした電気メーカーが、パナソニック株式会社です。
現在では、一般家庭用の家電製品はもちろん、業務用の空調機器や店舗の冷蔵設備など、電子機器メーカーとして多方面で事業展開しています。
同社のハンドドライヤー「パワードライ」シリーズは、下記にこだわった製品です。
- 設置しやすいコンパクト性
- 誰でも使いやすい快適性
- 清潔を保ちやすいメンテナンス性
さらに、風の吹き出し口を2段階にすることで、ハンドドライヤーで重要な速乾性も追求しています。
メーカー4.TOTO株式会社
メーカー名 | TOTO株式会社 |
特徴 | ・1917年の設立以来、水まわり文化の発展に貢献 ・国内、海外あわせて70拠点以上を構え、国内従業員数は3万人以上 ・2018年に「ウォシュレット」世界No.1ブランドに認定 |
代表製品 | クリーンドライ |
TOTO株式会社は、システムトイレや浴槽をはじめとする住宅設備機器などの製造・販売を手がける企業です。同社は1917年に日本初の衛生陶器の製造会社「東洋陶器株式会社」として設立されました。
水回り文化の発展に貢献してきた同社では、手洗い空間の快適性を向上する「クリーンドライ(ハンドドライヤー)」を販売しています。
- 高速両面タイプ:商業施設や多機能トイレなど、あらゆるパブリックトイレ向けタイプ
- 高速タイプ:コンパクトサイズでスピード乾燥重視タイプ
上記に加え、コンパクト性を重視したタイプも扱っており、手洗い空間をより快適にするために貢献しているメーカーです。
メーカー5.株式会社LIXIL
メーカー名 | 株式会社LIXIL |
特徴 | ・国内の主要な建材、設備機器メーカーが統合して誕生 ・100年以上の歴史を持つ ・ハンドドライヤーは「INAXブランド」 |
代表製品 | スピードジェット |
2011年に、国内の主要な建材・設備機器メーカー5社が統合して誕生したメーカーが、株式会社LIXILです。
統合後、海外の世界的ブランドを傘下に収め、現在は世界150カ国以上で約5万5千人の従業員を抱えるグローバル企業となりました。
同社のハンドドライヤーは、衛生陶器の主力メーカーであった(旧)株式会社INAXが手がける「INAXブランド」の製品です。
空気を清浄化する「ヘルスエアー®機能」を搭載したファンを内蔵し、トイレ空間の浄化にも配慮しています。
メーカー6.ダイソン株式会社
メーカー名 | ダイソン株式会社 |
特徴 | ・世界初のサイクロン掃除機を開発 ・日本法人は1998年に設立 ・現在は世界67カ国で製品販売 |
代表製品 | Dyson Airblade(ダイソン エアブレード)™ハンドドライヤー |
ダイソン株式会社は、世界初のサイクロン掃除機の開発に成功したメーカーです。2022年5月現在では、掃除機だけではなく、空調家電やヘアケア製品なども開発・販売しています。
同社のハンドドライヤーの特徴は、ダイソン製品の技術の原動力となるデジタルモーター技術です。モーター専門の製造施設をシンガポールに開設しています。
人の出入りが多い場所への設置を想定し設計された「Dyson Airblade(ダイソン エアブレード)™ハンドドライヤー」は、衛生対策を強化されたハンドドライヤーです。
全モデルに、精密空調機器などに使用される「HEPAフィルター」が搭載され、浄化された空気で手を乾燥できます。
メーカー7.東京エレクトロン株式会社
メーカー名 | 東京エレクトロン株式会社 |
特徴 | ・日本国内で初めてエアータオルの製造販売を開始 ・製品開発では、実用性や機能性を重視 ・官公署関係・食品工場など幅広い分野で採用されている |
代表製品 | AIR TOWEL(エアータオル) |
エアータオルの製造・販売を手がける企業、東京エレクトロン株式会社の紹介です。
同社は、エアータオル(※)のパイオニアとして50年以上の歴史をもっています。(※「AIR TOWEL」「エアータオル」は、同社の登録商標)
同社の製品が採用されているのは、官公署関係や空港、医療施設などさまざまな分野です。また2005年には、日本企業として初めて海外の鉄道会社でも採用されました。
使いやすさと衛生さにこだわった「AIR TOWEL(エアータオル)」シリーズは、省エネだけでなく狭い場所にも設置できるコンパクトな設計が特徴です。
自社に合うハンドドライヤーメーカーを選ぶなら導入目的を明確にする
ハンドドライヤーメーカーは、たくさんあるうえ特徴が異なります。自社にぴったり合うメーカーを選ぶのであれば、導入の目的を明確にすることが重要です。
メーカーによってさまざまな魅力がありますが、メーカーの知名度やイメージだけで選んでしまうと、製品の良さを活かしきれません。
導入の目的には、下記の例があります。
- 商業施設の来客が快適に利用するため
- 食品工場の衛生対策を強化するため
- 衛生対策のランニングコスト削減するため
- トイレを清掃するスタッフの負担を軽減するため
上記のように、何のために導入したいのかを明確にし、自社にぴったり合うハンドドライヤーを選びましょう。
ハンドドライヤー選びで押さえておくべき6つのチェックポイント
ハンドドライヤー選びで押さえておくべきチェックポイントは、以下の6つです。
- 想定している利用者にとって使いやすいタイプか?
- 本体に抗菌加工や衛生対策が施されているか?
- 清掃がしやすい簡単な構造であるか?
- 短時間で乾燥できる風量を確保できるか?
- 設置場所で騒音と判断されない音量か?
- 導入費用・ランニングコストが自社の予算に近いか?
では、ひとつずつ見ていきましょう。
ポイント1.想定している利用者にとって使いやすいタイプか?
まずは、想定している利用者にとって使いやすいタイプであるかを見極めることが重要です。
ハンドドライヤーには、上方から手を挿し入れるタイプや横から手を挿し入れるタイプなど、さまざまな種類があります。
例えば、車椅子に乗る人の利用が想定できる病院では、健常者を基準に選んでしまうとすべての人が利用できません。
設置場所ではどのような人がハンドドライヤーを使用するのか、あらかじめ想定しておきましょう。
なお、ハンドドライヤーを設置する高さを決める基準の詳細は、以下の記事で解説していますのでご一読ください。
ポイント2.本体に抗菌加工や衛生対策が施されているか?
2つ目のチェックポイントは、本体に抗菌加工や衛生対策が施されているかどうかです。ハンドドライヤーの各メーカーは、衛生面を強化するためにさまざまな工夫を施しています。
- 内部にHEPAフィルターを搭載
- 本体から風や水滴が漏れない吸引式を採用
また、ボディに抗菌素材を使用し、端末表面の雑菌の繁殖を抑制できるタイプもあります。
衛生対策が施されていれば、利用者だけでなく清掃スタッフも安心して業務をおこなえるため、チェックしておきましょう。
なお、下記記事ではハンドドライヤーを衛生的に使うコツを紹介していますので、合わせてご一読ください。
ポイント3.清掃がしやすい簡単な構造であるか?
ハンドドライヤーは、購入後のメンテナンスが大切になります。菌の繁殖を抑えるためにも、こまめに清掃することが望ましいです。
例えば、構造が複雑で掃除しにくいと、清掃スタッフにとってメンテナンスのハードルが上がるかもしれません。結果として、定期的に掃除してもらえなくなる恐れがあります。
ハンドドライヤーを衛生的に使用するためにも、清掃しやすい簡単な構造になっているかを確認することが重要です。
なお、以下の記事ではハンドドライヤーの清掃方法を詳しく解説していますので、参考にしてください。
ポイント4.短時間で乾燥できる風量を確保できるか?
短時間で乾燥できる風量を確保できるかどうかも、確認しておきたいポイントです、洗った手を迅速に乾燥できれば、菌の増殖を抑えられます。
また、ウイルス学的には、乾燥状態ではウイルスの生存性が低下すると言われています。
さらに、乾燥に時間のかかる製品をイベント会場へ導入した場合、トイレで行列を作る原因になってしまう恐れもあります。
ハンドドライヤーの一般的な乾燥速度は、10秒前後から30秒前後です。急いでいる利用者でも衛生的に使用できるよう、風量を確認しましょう。
なお、手を素早く乾かすにはいくつかのコツがあります。手が乾かないときの対策を以下の記事で解説していますので、合わせて参考にしてください。
ポイント5.設置場所で騒音と判断されない音量か?
ハンドドライヤーの乾燥速度とあわせて確認したいのが、稼働音の大きさです。乾燥速度だけを求めていると、導入後に「思ったより音が大きかった」と後悔する恐れがあります。
例えば、商業施設と病院では、許容できる音量が異なります。騒音と判断されないためには、設置場所に適した音量の製品を選ぶことがポイントです。
稼働音の大きさは、各ハンドドライヤーの説明資料などに記載されています。ですが、人によって感じ方が違うため、できるだけデモ機で体感してみることがおすすめです。
ポイント6.導入費用・ランニングコストが自社の予算に近いか?
ハンドドライヤーは、タイプごとに目安となる本体価格がさまざまです。導入費用だけではなく、光熱費やメンテナンス費用などのランニングコストも発生します。
長期的な使用を考えているのであれば、導入後にかかるランニングコストまで予測し、自社の予算に近いか確かめておきましょう。
なお、ハンドドライヤーの値段や運用コストなどについては以下の記事で解説していますので、ご参照ください。
自社に合ったハンドドライヤーメーカーを選ぼう
あらためて、本記事の内容をまとめます。
- ハンドドライヤーを販売するメーカーは、専門業者や総合電機メーカーなどさまざま
- 自社に適したメーカーを選ぶのであれば、導入の目的を明確にすることが重要
- ハンドドライヤー選びは、費用面や機能面など複数の観点から総合的に判断する
ハンドドライヤーは、さまざまなメーカーが取り扱っています。製品の導入を検討する際は、目的を明確にしてからよく比較しましょう。
なお、ハンドドライヤーはメーカーやタイプごとに特徴や費用が異なるため、何を基準に選べば良いのかわからず迷うことがあると思います。
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